校正の勉強がしたい!
そう思ったときに日本エディタースクールの通信講座を知った人も多いのではないでしょうか。
だけど受講するかどうか迷っている、そんな悩みを抱えていませんか?
現役校正者であるわたしは実際に日本エディタースクールの校正講座を受講し、2024年に講座を無事修了しました。
その時の経験から校正の通信講座のメリット・デメリットをお伝えしていきたいと思います。
- 日本エディタースクールの通信講座 校正コースを受けようと考えている方
- 講座のメリット・デメリットが知りたい方
- 校正技能検定の受験に通信講座は必須なのか知りたい方
日本エディタースクール 校正通信講座って?
日本エディタースクールが開講している通信講座の校正コースは、「校正とは何か・校正のやり方・日本語の表記の知識」など校正の知識を基礎から応用まで学ぶことができる講座です。
日本エディタースクールは編集者や校正者を養成する学校で、東京にあります。
全日制のコースから夜間・土曜の講座が現地で開講しています。
現地に行けなかったり、平日に時間が取れなかったりする通学が難しい方でも受講できるのが、今回紹介する通信講座です。
日本エディタースクールでは、プロの校正者を目指せる本格的な「校正コース」とそれよりも手軽に学習できる「校正フレックスコース」、2つの校正の通信講座を開講しています。
今回私は、校正コースを受講しました。
そもそも校正って?
文章の文字の誤りや不備を調べて正しくすることです。
世の中に流通している本で「ここの漢字が間違っているな」なんてことはほとんどありませんよね? それは小説や雑誌などの出版物を発行する前にプロの校正者が校正をしているからです。
このように、印刷物の発行に校正というものは欠かせない作業なのです。
受講するメリット

講座を修了してわたしが感じたメリットは以下の3つです。
①校正のスキルアップにつながる
今回わたしが通信講座を受講しようと思った1番の理由は、校正スキルを高めたいからでした。
講座を受けた結果、校正のスキルアップ効果はかなりあったと実感しています。
まず、通信講座では自分の校正をスクールの方に添削していただけます。
しかもその添削はかなり丁寧で、隅から隅までチェックしていただいているなと感じました。
校正経験がない方はもちろん、ふだん業務で校正をしている方も、他人に自分の校正のやり方をじっくりチェックしてもらえる機会はあまりないのではないでしょうか。
自分のやり方が正しいか、どう校正指示を入れると伝わりやすいのかなどを知ることができ、自分の校正力を高めることにつながりました。
講座で言われた点を気をつけることで、見やすい校正指示を出せるようになったのではないかなと、普段の業務でも感じています。
公式サイトで校正コースは、”プロの校正者を目指す方”向けと説明されていますがまさにその通りで、校正者の仕事に興味がある方や校正のスキルアップをしたい方にはぜひおすすめしたいです。
②校正技能検定の対策になる
通信講座を受講しようと考えている人のなかには、校正技能検定の受験を考えている人もいらっしゃるでしょう。
わたしは講座を受講し、校正技能検定の受験もしましたが、実際に講座は校正技能検定の対策になりました。
その理由は、通信講座受講中に受験した校正技能検定〈中級〉の試験が、校正の通信講座で学習したことから出題されていたからです。
校正技能検定では、実技試験と学科試験があります。
実技試験については通信講座の校正演習課題、学科試験については通信講座の筆記課題に取り組んでいれば対応できると感じました。
また、通信講座を受講すると校正技能検定の試験で必要になる「印刷文字スケール」と、持ち込みができる唯一の参考書「標準 校正必携」が手に入ります。
いずれも受講をしなくても個別で手に入れることは可能ですが、試験対策にもなる通信講座を受講できる権利と同時に手に入れられることを考えれば、かなりお得だと思います。
校正の実務経験がない場合はこのコースを受講することで校正技能検定〈中級〉の受験資格を得ることができます。
実務経験がなく、校正技能検定〈中級〉の受験を考えている方は講座を受けることをおすすめします。
※通信講座の修了以外にも、現地開講の校正コースを修了することなどで受験資格を取得できます。詳細は受験要綱をご確認ください
③独学では身に付かない知識が手に入る
エディタースクールの通信講座を受講するまで、わたしは校正に関する知識をほぼ独学で学習していました。
しかし、独学では明確な学ぶ指針を立てづらく、知識の習得は手探り状態であったと思います。
講座で使用するテキスト(「新編 校正技術」)では、校正の知識から印刷物の知識などの校正に必要な周辺知識まで基礎から系統立てて解説されています。
独学では必要だとも思っていなかったことも学ぶことができたと思います。
ややかたい文章なため、とっつきにくさはありますが、しっかりと読み込めば自分の力となる校正の知識が身につきます。
一般に発売されている書籍やインターネットでも校正の知識を手に入れることはできます。
しかし、体系的な校正の知識を身に付けるのには、この講座がかなり役に立つでしょう。
講座のデメリット
上記であげた通り、受講するメリットは大いにあります。
その一方で、受講中にもったいないなと感じた点もいくつかありました。
以下に講座のデメリットをあげていきます。
①課題のやり取りに時間がかかる
丁寧に課題を添削して頂けると先ほど触れましたが、そのためか、かなり課題の返却は遅いです。
ネットではなく郵送でやり取りをするということも影響していますが、課題を提出してから返ってくるまでかなり時間がかかることがあります。
とくに年末年始などエディタースクールが休業していた際は、課題の返却に2週間以上待ったこともありました。
アナログ教材しか用意されていないという性質上、デジタル教材のようにサクサクと勉強を進めることはできません。
②拘束時間が長い
しっかりとしたテキスト・課題内容であるため、内容を読み込む必要があり学習時間はかなり長かったです。
テキストを読む時間、筆記課題を解く時間、校正の演習課題に取り掛かる時間……。
テキストに慣れないうちは演習が大変で、慣れても課題の量が多いです。
わたしは時間のかかったときで、ひと月あたり約20時間かかりました。
校正という性質上、どんなに細かなミスも見落とすことができません。
そのためテキトーに課題をこなすということは不可能で(そもそもそうするとチカラはつきませんが)、どうしても時間がかかることになります。
特に校正の演習に関しては、集中して机に向かって取り掛かる必要があるため、電車の移動時間といったスキマ時間に勉強するという方法がとれません。
通信講座ですので、いつ・どのくらい時間をとるかは自分でコントロールできますが、しっかりと計画的に学習を進める必要があります。
よくある疑問に回答
ここからはみなさんにとって疑問となりそうなポイントについて回答していきます。
受講に校正経験は必要?

校正経験がなくても大丈夫?

講座の受講自体は、高校卒業(もしくはそれ相当)という要件以外はとくに資格は問われません。校正の知識がゼロでも、テキストをしっかり読み込むことのできる人であれば問題ないです。
エディタースクールの通信講座 校正コースの受講に校正経験は問われません。
校正についてテキストではゼロから解説してくれているので、まったく知識のない人でも校正の仕方を学ぶことができます。
学習の手引きに従って、きちんとテキストを読み、演習・課題をしていれば校正の知識を身につけることができます。
社会人でも大丈夫?

社会人で忙しいからちゃんと勉強できるか心配

勉強する時間をしっかり確保して、コンスタントに勉強を続ける必要があります
やはり勉強に取り組む時間の確保が一番の課題でしょう。
提出課題だけでも毎月かなりの分量があるため、それなりに時間をとることが必要です。
私は平日は仕事なので、土日にまとめて時間をとって勉強をしました。
ひと月あたりに12時間程度は最低でも確保したいところです。
費用が高い気がするけどそれでも受講するメリットある?

受講費5万円って高くない?

たくさん届くテキスト代も含まれていて、そのうえさまざまなサポートもあり、検定対策にもなります。費用分の価値は十分にあると思います。
受講料は50,280円と決して安くない金額です。
ですが、7冊のテキストに校正に使用するスケールが特典としてあり、さらに校正の添削や質問の受付などのサポートが受けられます。
費用分の価値は十分にあるといえるのではないでしょうか。
校正や印刷についての知識を深めたい方や校正技能検定を受けたいと考えている方には、おおいにメリットがあると思います!
さいごに
ここまで、日本エディタースクールの通信講座の校正コースを受講して感じたメリット・デメリット、さらによくある疑問点について解説しました。
これから通信講座の受講を考えている方の参考になれば幸いです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。